2012年05月06日

自動車事故-11(故意による事故その4)

事故調査員は契約者に次の点も確認していました。

※今まで、保険に加入したことはないのか?また、保険事故を起こしたことはないのか?

すると、契約者の回答は次の通り。

「保険には今回初めて加入したので、保険事故を起こしたのも今回が初めて」との事。
また、事故は以前起こしたことはあったが、低年式車であり少損害であったので、その車は廃車にした。

事故調査員は、調査を進めるにつれて、新たな事実が判明したのです。

それは、一年前に契約者は別の保険会社に加入しており、車両単独事故を起こしていたのです。

しかも、事故状況は今回と全く同じでした。

その事故を調査したところ車両の損害は大きく、全損となったため、保険金は契約者に支払われていました。

この事故事実もあり、契約者の供述のほとんどが嘘である事になります。

これらの事実を基に、事故調査員は契約者に面談したところ、この事故の保険金請求は取り下げると言いだしました。

従って、明らかな保険金目当ての偽装事故だった事になりました。

悪いことをしようとすると、どこかに落とし穴があるものです。

保険金は、本当に必要としている人達のために支払われるべきお金なのですから。




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2012年04月23日

自動車事故-11(故意による事故その3)

保険会社の調査員は、契約者に損害が高額になる事を伝えた時「ニヤリ」と笑った事がどうしても引っかかっていました。

保険金目当ての故意による事故の可能性が高いと思ったのです!

事故は間違えなくおきているため、事故に至るまでの経緯を調査することにしました。

事故は夜中の2時頃おきています。

しかも相手は居なく、目撃者も居ない車両単独事故ですが、警察の届け出はあります。

なぜ、夜中の2時頃事故現場に行くことになったのか?
その答えは次の通りでした。

タバコを買いに近くのコンビニに行ったが、自分の吸っているタバコの銘柄がそのコンビニに無かった。
仕方なく遠くのコンビニまで行くことになり、途中で事故をおこしてしまったとの事でした。

事故調査員は地図を基に、最初に行ったコンビニと、次に行こうとしたコンビニの場所を契約者に確認しました。

その後調査員は、契約者が最初に行ったコンビニに出向き、契約者が行ったと供述している日時に、契約者が買おうとしていた銘柄が本当に無かったのか、店の店主に確認をしたのです。

すると店の店主の話では、品切れにはなっておらず、その銘柄のタバコは実際にはあったのです。

契約者の供述が覆りました!!

続きはまた後日。














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2012年04月16日

自動車事故-11(故意による事故その2)

保険会社の調査員は、車の損害状況を調査したところ、フロントバンパー、ボンネットが深く押し込まれており、エンジン前側のタイミングベルト部位まで損傷が波及し、タイミングベルトは完全に脱落していたため、エンジンン内部まで損傷が及び、保険金支払額が高額になる事を直感しました。

事故を起こした契約者は、自分で手配したレンタカーに乗り、修理工場にやってきて、自分の車から荷物を降ろしに来たようです。

調査員はすかさず契約者に事故の状況及び事故場所を詳しく聞いたのち、車両の損害が高額になりそうなので、全損の可能性があることを説明しました。

するとその契約者は「ニヤリ」と笑ったのです。

調査員はその足で、契約者の言っていた事故現場へと行ってみる事にしました。

すると現場には契約者の説明通りの場所があり、ガードロープ支柱には車が衝突したと思われる自動車部品の破片が残っており、エンジンオイルが漏れた痕跡がありました。

確かに事故はここで起きたのです!!

偽装事故の場合、運転者の供述通りにその事故現場で事故があったならば、車に残されている損傷状態と事故現場の状況が一致するか否かになります。

しかし、この事故は一致していました。

あとは、事故に至るまでの行動に不審な点は無いか?という事になります。

続きはまた後日。



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2012年04月08日

自動車事故-11(故意による事故その-1)

自動車事故を故意に起こし、保険金をだまし取ろうとした件を紹介します。

この事故は、あるフリーターによって偽装された事故でした。

中古車を低価格で購入し、一番高く車両保険を掛けられる保険会社をネットで調べて加入すると言う手口でした。

一般車両保険に月払いの分割で加入し、一回目の保険料を引き落とされたのち、故意に事故を起こし、車両を大破させ、高額の保険金を騙し取ろうと企てたのでした。

その事故は、ある日の深夜、雪道で起きました。

直線道路を進行中、車がスリップし、ガードレールの支柱に衝突したとの事故報告が保険会社に入りました。

事故を起こした契約者は、警察への届け出、レッカーの手配、代車(レンタカー)の手配まで全て本人がやっており、卒のないくらい用意周到である事に、保険会社の事故調査員は疑問を抱きました。

事故調査員は事故車の搬入先である修理工場に、事故車両の損害調査に出向きました。

するとそこへ、その車の持ち主が現れたのでした。

続きはまた後日。



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2012年03月19日

自動車事故-10(勘違いの人達)

現在は車社会の世の中なので、自動車事故は年々増加する傾向にあります。

事故を起こした人、被害にあった人の中に、勘違いをしている人達が居ます。

今回は、被害に遭った人の勘違いの例をあげてみます。

追突された事故の場合、一般的に過失割合は「100:0」と言われています。

加害者が自動車保険に加入している場合、保険会社が被害者に対し対応するのですが、中にはそれをいいことに、言いたい放題言いだす方が居ます。

1)修理をした箇所が治っていない。
 →そもそも修理をするのは保険会社ではなく、修理工場なのです。
  そのような場合は、まず修理クレームなのか、修理見落としなのか、修理工場と精査する必要が  あります。

2)保険会社の誠意が感じない。
 →保険会社の誠意とはなんでしょうか?
  事故の場合誠意を持って対応するのは事故を起こした加害者のはずです。
  加害者は被害者に対し、誠意を持って賠償に当たらなければなりません。
  その賠償手段として、ドライバーは任意保険に加入しているはずです。
  
保険会社はあくまでも金融機関であるため、支払い保険金を精査したうえで保険金の支払いがなされます。

保険の始まりは、「一人はみんなのために、みんなは一人のために」と言ってお金を出しあったところから始まった仕組みであるため、適正に支払わなければ、ほかの方々に対して示しがつかない事になります。

近年事故慣れしている人が多くなったのか、保険金をだまし取ったり、ごねて多く支払保険金を受け取ろうとするなど、自分さえ良ければいいと言う人が年々増えていることに憤りを感じます。





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2012年03月04日

自動車事故-9(少額訴訟その3)

最少回転半径-3.jpgそれぞれの車両には走行性能の中に、最小回転半径があります。

この数値はハンドルをいっぱいに切った時に旋回できる最小の回転半径を表しています。

A車であるトヨタクレスタの場合、最小回転半径は5,1mと決まった数値があります。

右の図は、自動車事故-9(少額訴訟その2)で説明いたしました、アッカーマンジャント理論を基に、A車とb車が衝突した衝突地点から旋回軌跡を逆に戻ると、Ⓐの位置にA車がいたことになり、対向車線上に一旦出なければ衝突地点に、この位置とこの角度で衝突しないことになります。

これはあくまでもハンドルをいっぱいに切った時の最小回転半径であるため、走行中であった本件事故の場合では、更に回転半径が大きくなりますので、A車は明らかに対向車線上を走行しなければこの衝突地点にたどり着かない事になるのです。

裁判では、b車の保険会社の事故調査員が作成した事故解析書が全面的に採用され、過失割合80(A車):20(b車)の判決が出されました。

人は、時には嘘を言ったり、思い違いをしたりしますが、事故現場に残された痕跡や、車に残された衝突痕跡や傷は、真実のみを物語っています。









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2012年02月26日

自動車事故-9(少額訴訟その2)

1、事故現場見取り図

事故状況図.jpg

b車の保険事故調査員は、事故現場に残されたスリップ痕の位置、道路幅、駐車場の入り口の幅と衝突地点との位置関係を詳しく調査しました。

右図のとおり、実際に測定して1/100の縮尺図を作成しています。

この図を正確に作成することで、この事故がどのようにして起きたのか、おおよその事故状況を再現することが可能になるからです。

また、スリップ痕は現場に残された、唯一の物的証拠になり、この事故を解き明かすカギとなります。

このスリップ痕はA車が左側の駐車場へ入る際、A車の後方を走行していたb車が、咄嗟に左にハンドルを切ってブレーキを踏んだため、左斜め前方に真っすぐ印象されたb車のスリップ痕です。

また、左側に曲がって着いたスリップ痕の始点位置から、双方の車両が衝突した衝突地点を割り出すことが出来ます。

次に事故調査員は、双方の事故車両を調査しました。

衝突状況図.jpg

2、衝突状況図


A車:トヨタクレスタ

b車:タイハツムーヴ

双方の損傷部位と入力方向を調査したところ、お互いの車両は右図のように衝突していることが分かりました。

A車の左リアドアーにb車の右フロントバンパー部位が衝突していることから、A車は旋回途中で衝突したことになります。

ここで事故調査員はトヨタクレスタの旋回特性に着目しました。

そもそも自動車にはそれぞれの性能があり、それらは数値として決められた値になっています。



アッカーマンジャンント理論.jpg
3、アッカーマンジャント理論


右図のとおり、自動車の走行特性の中に、旋回特性があります。

四輪操舵の自動車で無い限り、自動車が旋回するときには、この理論をもとに自動車は造られています。

トヨタクレスタもこの例外ではありません。

従って、自動車が旋回する時には右図のとおりに旋回曲線を描く事になります。

この事故では、衝突地点と衝突角度を割り出す事ができるため、A車がどの位置から旋回したのか、おおよその位置関係を割り出すことが出来るのです。

続きはまた後日。


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